ゲームの「個性」について

本日、第12回ふりーむ!フリーゲームコンテストの結果が発表されました。

拙作「TRISKERートライスカー」はSTG部門金賞を頂きました。

www.freem.ne.jp

受賞時の評価やコンテストの総評を見て、思ったことを何か書き残さなくてはいけないなと思ったのでここに書き残します。

 

トライスカは"多くの人にSTGをクリアする楽しさを知ってもらう"をモットーにしていました。

そのため最終目標は部門別の枠を超えることだったのですが、残念ながら超えることはできませんでした。

多少の悔しさはありますが、総評と評価を見ていて納得をしました。

以下にコンテスト総評の一部とトライスカの審査員コメントを引用します。

 

"ウェイトが長いことや必要性のない戦闘など、楽しさにつながらない要素に配慮された、遊びやすい作品が増えている。 そのため、自らの個性を表現する何かを強く出すことや、特定の要素を中心に推す遊び方にすることで、 「面白い」から「個性があって面白い」へ印象が変わるため、自分だけの魅力を出している作品が、心に残りやすかった。"

--- 総評

 

"エフェクトや敵の動きが豪快で、精巧な機体デザインもあり画面上の変化が楽しい。自機攻撃パターンと敵パターン・配置構成の設計に魅力があり、戦略的にも意味のある攻略を楽しめる。難易度変更やボム設定など配慮もあり入りやすく、徐々に敵弱点やパターンに気づき、戦略的に遊べる奥の深さがある。システム面では個性は控えめなもののまとまりが良く、撃破する爽快感の高い作品。"

--- トライスカ審査員コメント

 

引用元:ふりーむ!(第12回ふりーむ!ゲームコンテスト公式ページ)

 

トライスカは広く受け入れられるSTGを目指した作品でした。

そのため個性が薄かったのかなと今では思います。

ですが、目指していたものを考えた時、この結果である意味良かったのかもしれないと思いました。

 

しかし、ここから先、誰かの心に残るような面白いゲームを作る時には「個性」が大事になってくるかなと感じます。

その事を忘れないためにもここに書き残します。

 

シューティングゲームの作り方

UnityでSTGを作った時の自分の流れ的なものを備忘録代わりに書きます。

 

1.なんらかの目標を決める

自分がどういったゲームを作りたいのかを明らかにしておきます。

例えば「宇宙から攻めてきた侵略者を倒すゲーム」だとか「画面内に限界ギリギリまでオブジェクトを表示させるゲーム」だとか「とにかくミサイルをドカドカ撃ったら楽しそうだからそんなゲーム」だとか何でも構いません。

 

2.基礎部分のプログラムを書く

Shooting Game BuilderなどのSTG制作に特化したもので作る場合は必要ないかもしれません。

まず敵の基礎となる部分や自機、スコアなどのデータを管理するプログラムなどゲームシステムの基本的な部分を設計します。特に敵の初期化処理などはここで作っておき、後で使いまわせるようにしておくと物凄く楽になります。

ちなみに、この部分の作業はかなり退屈で、ゲーム的な面白さが皆無なので死にそうな顔しながら進めた覚えがあります。なのでスキップして必要になったら作るというのもありですね。

 

3.全体の大まかな流れを決める

 目的地を決めずに発車すると作ってるうちにグダグダになるので、どのような流れでゲーム全体が進むのかを決めます。

この"流れ"とはシナリオや各ステージの背景、スタートからゲームオーバーまでのプロセスなど、とりあえずそれに沿って作っていけば完成させることができるものの事です。

 

4.ゲーム内容を作り始める

3.で決めた流れに沿ってゲームのメインとなる部分を作っていきます。

4.1. ステージ内の部品を作る

背景、敵(小型、中型、大型、ボス)などをそれぞれ作っていきます。ボスに関してはステージ内容が完成してから最後に作ってもいいかもしれません。

敵に関しては1ステージ2~3分くらいの場合

  • 小型:2~4種類
  • 中型:2~3種類
  • 大型:1~2種類

くらいがちょうどいいかもしれません。

2~3分のステージは作ってみると意外と短いもので、あまり敵の種類を多くしてもそれぞれを登場させる機会が少なくなってしまうので絞った方がいいと思います。

敵の作り方は、

  1. どのように画面内に現れて
  2. どのような攻撃をして
  3. どのように去っていくか

と考えると流れ作業的になり楽になるかもしれません。

どんな敵を作るか迷った場合は、背景と照らし合わせて考えてみると決まるかもしれません。例えば「このステージは敵の基地内だから固定砲台を置こう」や「このステージは建物の中だからホバリングできるヘリを出そう」といった具合です。

 

4.2.部品を配置していく

先程作った背景や敵がどのタイミングで出てくるかを決めていきます。

ある程度まとまった部分までステージが作れたら、一旦テストプレイをしてみます。

問題無ければそのまま次の部分を作り始めますし、難しすぎたり簡単すぎた場合は作った部分を調整します。

これを繰り返して1ステージを完成させていきます。

配置についてのコツは人それぞれあると思うのですが、自分の場合はなるべく左右どちらかに偏らないような配置を心がけて、自機を画面内のあちこちに動かす必要があるようにしています。

 

4.3.繰り返し

以上を全ステージ分、繰り返して制作していきます。

敵のバリエーションに悩んだときは、色変えモデルを出すなどして楽をするのもありですね。

 

5.ステージ以外の作成

自分の場合、ステージを全部作ってからタイトルやセレクト画面を作っていきます。

始めのうちはゲームの楽しい部分を作ってモチベを保ち、8割近くゲームが完成してからそれ以外の部分に手を付ければ完成させざるを得なくなるからです。

タイトルやセレクトは作るのが難しそうであればシンプルなものでもいいですが、世界観の演出に一役買ってくれるので、気合を入れて作ってみるのもいいですよ。

 

6.自分以外の人にテストプレイをしてもらう

制作者は作ってるうちに飽きるほどプレイして難易度感覚が麻痺するので、できれば他の人にプレイしてもらうことをおすすめします。

またこの時、テストプレイしてもらった人にゲーム内で分かりづらかった部分を聞いておくのも良いです。作った本人なのですからゲームシステムは当然熟知しているので、遊ぶ人からすると分かりづらい部分に気づきにくくなっています。

 

7.動作確認

バグが無いか、難易度は適切か、もっと面白そうな演出はできないかをひたすらチェックします。

バグチェックについては制作者が想定していない操作をしてみるといいと思います。例えばクリア演出や画面遷移の演出など、何も入力が無いことを想定している場面でボタンを押したりしてみます。するとおかしい動作を発見することが自分の場合はありました。

 

8.公開

一通りの確認が済んだら遊んでもらうために、自分のサイトで公開したり、ゲームサイトに登録します。

また、多くの人に遊んでもらいたければ宣伝をします。

 宣伝をする場合、プレイを録画して面白い部分を抜き出し編集して動画にするのが効果的だと思います。

 

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以上が自分の制作時のフローです。

何かしらの参考になれば幸いです。

 

トライスカについて デザイン編

半年近く制作を続けていたシューティングゲーム「TRISKER -トライスカ-」が完成し、ひとまず余裕が生まれたので制作中に気を付けたことや気づいたことを書いていきます。

 

おおまかに分けるとデザイン的なことと技術的なことに別れるので、一つのエントリが長くなりすぎないためにも二つに分けて書きます。

 

1.普段はシューティングゲームをやらない人に遊んで貰うために

シューティングというジャンルに対して「難しそう」「自分には無理だ」と思う人は多いかもしれません。

それはなぜなのかと考えると、緊張の連続でありミスが許されない時間が長く続き、難所を超えてもまた次の難所が待っているからではないかと思いました。

逆にRPGというジャンルはミスをしてもセーブポイントから再開できるものが多く、ゆったりと遊べることからゲームの王道とも言えるジャンルになっています。

なので、トライスカではステージを1つずつクリアしていくミッションモードがメインの遊び方となるようデザインし、普段はシューティングを遊ばない人にも楽しんでもらえることを目指しました。

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また、トライスカでは スコアアイテム = RPGで言う経験値 となっています。

RPGは難所でつまずいても経験値を稼ぎ、レベルを上げることによりクリアができるようになっているのも王道たる所以なのではないかと思いました。

そのため、スコアアイテムを消費してステージ開始時のボンバー所持数を増やしたり、オートボムを発動できるようにすることで、挑戦を重ねる = スコアアイテムが溜まる(経験値を溜める)といったシステムにしました。 

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2.三種類の武装について

トライスカは基本的な部分は至極普通なシューティングですが、自機の武装が3つあり、それをプレイ中に切り替えながら戦うのが特徴なゲームとなっています。

それぞれの武装に特徴的な役割を持たせ、「武装Aで進んでたらクリアできなかった→武装Bを使ってみよう」といった試行を重ねればクリアできるようなゲームデザインを目指しました。

これは"攻める"部分の攻略を多くしたかったからです。

シューティングの攻略とは"攻め"と"回避"から構成されるが、"攻め"の部分はアクティブ、"回避"の部分はパッシブであると思います。

個人的には、自分が作るゲームは自機を操作して画面内をガンガン動き回れる方が楽しいのではないかと思い、アクティブな部分である"攻め"の攻略を重視しました。

 

3.ゲーム本編以外の見せたいものについて

フリーゲームの説明書や同梱ファイルは正直ほとんど目を通されないと思います。

特にシューティングゲームは基本的な動作は撃って回避することだけなので、ゲーム毎に大きく操作感が異なるということも無く、いきなりゲーム本体を起動する人も多いと思います。(正直に言うと、自分もまずはゲームを遊んでみて困ったら説明書を読むタイプです)

なので、トライスカでは「プレイヤーに見せたいものはゲーム内で全て示す」ということをなるべく行いました。中でもゲームの特徴的なシステムである三種類の武装と操作説明についてはタイトル画面に入る前のローディング画面で表示しました。

※ローディング画面については、実はほとんど必要ないほど読み込みは速いのですが、TIPSや操作説明を見せるためにわざと見せかけのローディングを実装しました。そのために画面遷移によって待たされる部分が増えてしまい、テンポが削がれるのではないかと悩んだ部分もあります。

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4.エンディングまでのモチベーション維持について

トライスカの制作目標の1つは

"なるべく多くの人にシューティングゲームのエンディングが持つ魅力を感じてもらうこと"

でした。

シューティングというジャンルは「死んで覚えろ」という言葉があるくらいにはミスを重ねてクリアを目指すゲームだと思います。しかし、人間はミスや失敗を嫌うもので、ミスが重なればクリアに対するモチベが下がってゲームを止めてしまう心配がありました。

そのため、ミッションモードではステージをクリアする毎にストーリーが展開していくようにしました。ストーリーの舞台となる惑星は侵略されており、ステージをクリアする毎に状況が改善されていき、エンディングを目指すモチベーション維持に繋がればいいなという狙いがあります。

また、プレイ中には"僚機や司令からの通信"という形で演出を入れました。これによりプレイヤーにロールプレイング感を持たせ、ストーリーへ引き込むという意図があります。

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5.なるべく多くの人に遊んでもらうために

ここまで書いてきたことの多くは、普段はシューティングをやらない人向けへの配慮です。 しかし、4.で書いたとおりなるべく多くの人に遊んでもらうために、元々シューティングを好んで遊ぶ人たち向けにも何かをしたいと思っていました。

そのために難易度を二つに分けることは、たとえ作業量が二倍に増えようとも必須であると思いました。シューティングゲームのエンディングの達成感とは到達することが難しいからこそ得られるものであり、初心者向けに抑えた難易度だけでは従来のプレイヤーの達成感は薄いと感じていたからです。

また、ミッションモードの他にアーケードモードを実装したのもそのためです。シューティングは主にゲームセンターで発展してきたジャンルであり、そこで闘ってきた人たちにとっては、ミッションモードだけでは勝負として物足りないのではないかなと思ったからです。

 

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以上がトライスカを制作するにあたってゲームデザインの部分で気をつけていたことです。

この記事で書いたゲーム「TRISKER -トライスカ-」は下のリンク先からダウンロードできます。もし興味を持たれましたらよろしくお願いします。

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